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2014年6月1日

「読み直す1冊」シリーズ(7)

過去に読んだのが多かった今回の松丸文庫シリーズ。今回は一度に10冊報告です。お勧めはルナールの「博物誌」かな。いつものように光文社古典と重複する、トムソーヤの冒険、ツァラトゥストラ、ジキル博士とハイド氏はパス。

(31) 不思議の国のアリス(キャロル/河合祥一郎:角川つばさ文庫):ブログ名からもわかるようにお気に入りの1冊。角川文庫(福島正実訳)で持っていたし、英語版も持ってた(持ってただけで大して読んでない)。今回の読み直しは著作権フリーのネット版を印刷した物。あんまり変わらない気がする。久々に読むと、イギリスっぽくない話だよなーと思った。お気に入りの一冊だけど、読んだのは結構あとで中学生の頃。小学生の頃に読みたかったな。何で読まなかったのかな?ディズニー映画の印象が強くてつまらんと思ったのかな。何度読んでも面白いと思う。

(32) 人形の家(イプセン/矢崎源九郎:新潮文庫):これも中学生位で読んだ気がするけど・・・ こんな話だったか?家を出る人形ていうか夢見る夢子さんの話だな。現実味薄過ぎだが、昔はこういうお嬢様っていたのだろうな。私は人形じゃない!という主張は理解するが、その状態で家を出てどうすんだ?と素朴な疑問が浮かぶのだった。

(33) 古代への情熱(シュリーマン/村田 数之亮:岩波文庫):初めて。トロイの遺跡を発見したシュリーマンの自伝。シュリーマンって苦労人だったんだ。遺跡発見を無視しても、スゴイとしか言いようのない人。無茶苦茶な勉強により成り上がった成功者が古代のロマンに取りつかれ。はた迷惑な人だったことは想像にかたい(笑)。でもスゴイよなぁ。遺跡見つかってよかったよなぁ。

(34) 鶏の卵ほどの穀物(トルストイ/中村白葉:岩波文庫):「イワンのばか」に収載。鶏の卵より、イワンのバカばっかりの国の話がすてきー。なかなかこうはいかないだろうけど。愚直が最後に勝つ・・・といいよなぁ

(35) 小公女(バーネット/伊藤整:新潮文庫):こんな話だったか??幼稚園の頃にお気に入りだった世界名作シリーズ(絵本)の中にあったと思うんだけど、その時以来に読んだ気がする。伊藤整訳。古い訳だと思う。セーラじゃなくてサアラになっているし。教訓的でいかにも婦女子向き。いろんな描写がとてもロンドンぽい。しかし公女て日本語?原題はLittle Princessなので、「小さなお姫様」とかでいい気がするんだけど?

(36) シャーロックホームズの冒険(ドイル/深町眞理子:創元推理文庫):小学生の頃に持っていた世界名作シリーズの中にあった。赤髪組合とまだらの紐と乞食の話は記憶あり。他のも全部あったのか?覚えてない。まだらの紐の紐ってbandだったのね。bandなら紐じゃなくて帯じゃないのか?まぁ蛇は帯には見えないかもだけど・・・ホームズは前読んだ時より更に感じ悪い。

(37) にごりえ(樋口一葉:新潮文庫):樋口一葉ってちゃんと読むの初めてかも。「にごりえ」は今一。言いたいことはわかるけど。「たけくらべ」が面白かった。十三夜はいまさん。話の筋よりも文章がいい。読むよりも詠む向き。とてもキレイで読んでいて楽しい。

(38) 博物誌(ルナール/岸田国士:新潮文庫):岸田国士訳。田園生活へのミニエッセイ。解説の言葉を借りると「ちっちゃいものルナール」。うまい。どれもお洒落でフランスぽい田園生活だけど、そこもまた素敵。「蛇」が一番気に入った(笑)。青空文庫にも挿絵付きで入っていますので一読をお勧めします。

(39) 動物記(シートン/内山賢次:評論社):シートン動物記って有名だと思ってたけど、そういう名前の本があるわけではなく、シートンが書いた動物に関する本をまとめてそう呼んでいるらしい。全体にダーウィンが来た!みたいな感じ。ドキュメンタリーだけど、個体に依存する点はだいぶ違うので、動物偉人伝かな。シートンによる挿絵がカワイイ。コヨーテのティトオが気に入った。哀しい結末のもかなり多かった。しょうがないけどね。

(40) 福翁自伝(福沢諭吉/土橋俊一:講談社学術文庫):福沢諭吉の自伝。「私の履歴書」な感じ。政治は嫌いというあたりもほんとに、日経新聞に載っていそうだよ。口語文だし。大酒飲みだけど真面目なんだってさ。粋じゃないやね。子供は教育しちゃいけないんだって。慶応幼稚舎は何で作ったんだよ。機を見るに敏で押しが強い人だったんだろうな。

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