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2014年8月15日

整腸剤

先日、外国人のお客さんがお店にやって来た。たぶん出張中なんだろう。同僚風の日本人に付き添われていた。処方内容は抗生物質と整腸剤。通訳お願いできますか?と付添いさんに言うと、ハイハイ大丈夫、と "anti-biotics and digestant"と言われた。

抗生物質がさらっと出てきたのにはすごいなーと思ったが、digestantって消化薬ではなかったか?でも整腸剤の英語がサッパリ思いつかない。消化薬も整腸剤も似たようなもんだし、いいやそれでとスルーしたのだったが。

そんな話を実家でしたら、消化薬と整腸剤は同じじゃないのかと言われてしまい。うーん、同じような違うような・・・業界用語的には分けてるけど、普通の人は気にしてないのか。ドラッグストアで見ても「胃腸薬」となってるし、wikiでも一緒にくくられているのだった。

業界用語的には(wikiにも記述されているけど)、「整腸薬」というと、乳酸菌が配合されたお薬のことを指すと思う。wikiには納豆菌とかも書いてあるけど。。。乳酸菌ですよ普通。
乳酸菌ってヨーグルトに含まれているアレね。乳酸を作る菌(キノコではなく、細菌=バクテリア)のことで、ビフィズス菌が有名。

なんで乳酸菌を飲むとお腹の具合が良くなるのか。詳細は不明(笑)ですが、ヨーグルトの宣伝にもよく書いてあるように、腸内の環境が改善されるからと考えられています。人間の腸内(大腸)には乳酸菌が住んでいて、乳酸菌(善玉腸内細菌)が元気だと、腸がうまく動いて、お通じも快調なわけだ。乳酸菌を外から追加すると(生きたまま届くのか、とか、牛の乳酸菌はヒトのと違うのではとかいろいろ文句はあるのだが)、快腸になる確率が高い。便秘にも下痢にも有効と考えられています。本職の便秘薬とか下痢薬に較べると効き目は弱いけど、その分マイルドで、効き過ぎ/副作用をあまり心配しないでいいのも安心なところ。

良く出る処方は、冒頭にもあるように、抗生物質とのセット。抗生物質は抗細菌薬だから腸内細菌にも効いてしまうわけで、お腹の調子が悪くなることが多い。そこで乳酸菌(ただしこの場合は、抗生物質に耐性のある乳酸菌)を追加することで、腸内細菌を応援する感じです。

お子様中心にとてもポピュラーな処方なんだけど、英語版wikiの胃腸薬には該当する記述がない。整腸剤って日本でしか使われてないの?そんなことないよね・・・

暫く悩んだのだけど、どうも整腸剤にあたる英語はprobioticsであるらしい。お薬の名前というより、健康食品な扱いの気がするけど。日本語もある。

ここでいうbioticsは善玉の腸内細菌で、それを助けるモノだからprobiotics。この言葉のオリジナルであるantibioticsのbioticsは、病原菌の細菌なのに。
悪い細菌をやっつける→いい細菌を応援しようというコンセプトの変化はわかるが、お薬の名前としてはわかりにくすぎでは。今日のお薬はantibioticsとprobioticsだよと言われたら、なんで真逆の薬が出るんだ??と混乱するんじゃないかな。

というわけで結局、整腸剤を英語で言うときは、先日のおじさんのようにdigestantと説明するのがたぶん賢明なのだった。疑ってごめんな。

PS:ちなみに整腸剤を商品名でいうと、有名どころは「ビオフェルミン」とか「ラックビー」です。

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