ページ

2015年1月12日

光文社古典新訳シリーズ(15)

とうとう150タイトルまで来たかー。感無量。どんどん読むぞー。
ここから1冊を選ぶのは難しいな。三文オペラは読んでて面白かったが、印象に残るかと言うと、うーん。今期は推理小説ぽいのが多かったな。

(141) 三文オペラ(ブレヒト):マック・ザ・ナイフってこれの劇中歌だったのか。「ドスのメッキース」じゃわかんないよ。解説を読んで理解。ま、原語はドイツ語だからね。ドイツ語はメッキー・メッサーだそうな。ナイフはメスなんだった。色男のメッキースは強盗団のボス。乞食団?の元締めピーチャムの一人娘と駆け落ちするが、親が娘を取り返そうとメッキースを罠にかける。元恋人の売春婦ジェニーに売られるも、どっこい警視総監はメッキースの軍時代の同期の桜。一度は逃げるが結局つかまってとうとう絞首刑と思いきや、最後は恩赦でお貴族様の仲間入り。なんだそれのドタバタ劇。

(142) 郵便配達は二度ベルを鳴らす(ケイン):こちらは映画で有名だよね。郵便は配達されないっていうかそういう場面ない。でも「2度ベルが鳴る」て比喩はわかる気もする。風来坊が行きがかりで働くことになったダイナーの主人は気のいいギリシャ人。そこそこ美人のアメリカ人妻が自慢だが、妻はこの生活から抜け出したい。浮気→夫殺害に。一度は失敗するも2度目は完遂。もうダメかと思った裁判もなんとか無罪判決を勝ち取ったが、弁護側から金をせびられ逃げる途中でうっかり奥さんを死なせてしまい、次はそりゃ死刑判決だわなー。実は動機が希薄な行きがかり犯罪。

(143) 赤い橋の殺人(バルバラ):犯罪小説かな。偶然が必然になってヤな奴を殺してしまったその後。「良心」は遺伝子に刷り込まれてるのかもね。罪には罰をと思っているのに、なかなか死ねない様子が哀れ。

(144) ドン・カズムッホ(マシャード・ジ・アシス):美しい妻と親切な友人夫妻と幸せな毎日を送っていたのに、友人が水死してから何だか妻が不倫してたような気が。息子が友人に生き写しの気が。そしてひきこもりの人生が始まるのだった。妻は無実説に一票。

(145) アドルフ(コンスタン):10歳年上の人妻に遊びの恋を仕掛けたら本気で恋してしまった青年。が、恋が成就するなり冷めるのも早い。恋ってこういうものだよなーとしみじみ思う。

(146) 神学・政治論(スピノザ):神学ってこういう学問のことだったのかー(そこからかよ)。スピノザの主張は日本人的にはトーゼンに感じるが信者の皆さんには許せないだろう。今でも殴られると思う。しかし地の文にヘブライ文字が出てきて感心。今の印刷って何でもありなのなー(そっちに感激かよ)。

(147) 読書について(ショーペンハウエル):哲学っていうか道徳?表題作と「自分の頭で考える」は似たような内容。「著述と文体について」が面白かった。賢い人は名文を書く。うんうん。シンプルがベストだ。哲学があらゆる文学で一番価値がある。うーん。そうかもしれない。フランス語はラテン語の方言だ。あははー。確かにそうかも。ヨーロッパ言語って互いに影響し合うから難しそうだね。ドイツ人はドイツでありたい。昔からそうなのかなー。とにかく頭のいい人だということはわかる。

(148) 道徳形而上学の基礎づけ(カント):何とか読んだ。やっぱり難しいよう。理性とか善とかは空論として意味があることはわかった。確かに善に向かう傾向ってあるね。それを突き詰めるのが哲学なんだね。そこまでは理解した・・・

(149) マルテの手記(リルケ):詩人のリルケの手記って言うか雑記。身辺雑記のようにも見えるが神経症的ファンタジー(作り物)でもある。金持ちと貧民とどちらでもない旅行者のマルテ。パリの浮遊感。

(150) ハックルベリー・フィンの冒険(トウェイン):初めて読んだ。トム・ソーヤーの冒険よりはこっちの方が面白いと思う。が、子供の頃に読んだとして面白いと思ったかどうかは疑問。これ夢がないよ。登場人物の殆どがしょうもないヤツ。メリー・ジェーンというカッコイイ女性が独りだけいるけど、他ははた迷惑な人とか困ったちゃんとか明らかに犯罪人とか。ハックはいいヤツだが友達にはなりたくないかも。トム・ソーヤーとは口も利きたくない。男の子が読むと、冒険がカッコイイと思うのかなぁ・・・

0 件のコメント: