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2019年1月31日

ゼロ年代の50冊(4)

今回は2分冊が1つだけで残りは全部1冊。楽勝かと思いきや、最後の1冊が枕の厚さで本日やっと読み終わりました。やれやれ。問題の14分冊はあと4冊なので2月には読み終わるかな。

(16)敗北を抱きしめて(ジョン・ダワー/岩波書店):第二次世界大戦の敗北を抱きしめる日本人。加害者意識の欠落は当時の世界情勢も起因していたのね。曖昧な日本、欧米からはわかりにくいし誤解もされやすいよね。中国でもキリスト教はいないけど、日本語と異なり主語目的語はちゃんとしてるから、グローバルスタンダードには乗れるのかもな。永遠の神秘の国、少年の日本(泣)。

(17)アースダイバー(中沢新一/講談社):縄文期と現代の東京の地図を重ね合わせ、地球に潜る(=アースダイバー)考察。天皇は森番。確かに中華な御所よりも皇居の方が神道らしい気がする。「サッ」が境で聖地なのか。東京にも陰影があるのね。東京は薄っぺらいと思ってたけど、それはAJが埋め立て地に住んでるからなのか。そうかも。

(18)とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起(伊藤比呂美/講談社):両親の老い、夫の老い、自分の老い。身につまされる話を独特の言葉で。装丁も独特。特にフォント。

(19)円朝芝居噺 夫婦幽霊(辻原登/講談社文庫):謎の速記による円朝の未発表作品「夫婦幽霊」を偶然発見!なんか変な話だなと思いながら読んでたんだけどそう来たか。芥川には見えないよ。でも原稿じゃなくて速記録の方だからいいのか。よく練り上げられてて面白いとは思う。構想もいいけど細部まで書けていて今の時代向き。

(20)ナショナリズムの由来(大沢真幸/講談社):資本主義の極大化→第三者の審級(最後の審判)が破綻→捨て置かれた主体(=大衆)の発生=昨今のナショナリズムの由来。第三者の審級を内在化→その限界を媒介として愛の普遍性に到達することでナショナリズムを超える。前々回トランスクリティークの読書メモに「資本主義=ネーション=ステートの三位一体」と書いたものの、ふーん、という感じで、この本の方がすとんと腑に落ちる部分があった。でもー、枕な厚さ&哲学/社会学用語や話題が満載で、読むのはこっちの方が大変。すぐ眠くなる。トランスクリティークや純粋理性批判を読んでなかったら腑に落ちなかったかも。根拠はすっ飛ばして要点だけまとめて新書にしたらすごく売れる気がする。

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