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2010年3月15日

光文社古典新訳シリーズ(3)

ハズレの少ない光文社古典新訳シリーズ。たくさんあるので、安心して週に1-2冊のスピードで進んでいます。今回の一押しはまた童話。

(21) プークが丘の妖精パック(キプリング):イギリスの子供向けと思われる英国史解説童話。ぺペンシーという場所を舞台に歴史的人物が語り手として登場。ちゃんと話が繋がっててえらい。日本で言うと京都を舞台に、卑弥呼に始まって(京都じゃないか)、聖徳太子、平清盛、織田信長、、、と繋がる感じ?たぶんイギリスの子供なら判る人物の話なんだろう。英国史に興味ないとつらいかも。

(22) ヴェニスの商人(シェイクスピア):これ何度目か。最近ではヴェネツィアに行った前後で読んだ。「ベニスの商人」ってシャイロックのことではなく、アントニオのことだった。金貸しは商人ではないとの解説にごもっとも。シャイロックが気の毒に書けていると思う。ただちっともヴェネツィアらしいところはナイ。

(23) ヴェネツィアに死す(マン):同じくたぶんヴェネツィアに行った後に読んだ。印象変わらず。こちらはヴェネツィアぽい。リド島は行ってないけどもっと似ているだろう。ドイツ人から見たイタリア!って感じ。

(24) ジュリアス・シーザー(シェイクスピア):これってシーザーというタイトルだけど、ブルータスの話じゃんか。シェイクスピアはみんな同じ人が訳しているのだが、助詞を省く台詞回しが何だか気になる。

(25) 十二夜(シェイクスピア):初めて読んだ。双子の女の子が男に変装したら好きな人の好きな人に愛の伝言役を務める羽目になり、しかも相手に惚れられてしまう。ハッピーエンドが容易に想像できる安直な筋だが、たぶん劇として観れば笑って幸せな気持ちになれるかも。

(26) 海に住む少女(シュペルヴィエル):初めて。フランス版宮沢賢治との解説に納得。童話だけど透明感のある一風変わった世界。特に表題作はオチが悲しい。

(27) おれにはアメリカの歌が聞こえる(ホイットニー):詩集だった。原詩(英語)が付いているのが嬉しい。I hear America singing。韻を踏んでないのが新しいんだって。古きよきアメリカの時代の詩。

(28) 秘密の花園(バーネット):子供文学全集で持っていて結構好きだったんだけど・・・でも、旦那様はこんな軟弱だったかな?主人公であるメアリとコリンはここまで可愛げのない子供たちだったか??ラストシーンはこんなだった気がするけど。

(29) 赤と黒(スタンダール):2回目。前に読んだのは中学生だったか、ドキドキしながら読んだような。今読むと全然。電車の中でも読める内容。何が問題だったのだか。不安定な時代背景を頭に入れて読むと単なる恋愛小説ではなかったのが判る。

(30) 帝国主義論(レーニン):当時はさぞかし正しく聞こえたのだと思うが今となっては。自分の主張を過信しすぎで、これでは独裁者体制に移行するのは見えていたのだなと思う。ちょうど第一次世界大戦を描いた「八月の砲声」を読んだ後だったので、この時期だったらさぞ革命を焦っていただろうと納得。タイミングってあるのなー。

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