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2015年1月12日

「読み直す1冊」シリーズ(8)

前回同様、今回も10冊と思ったのだが、7タイトル目が全10冊、10タイトル目は全20冊。しかもどっちも最後は尻切れトンボ。まったくもー!年内は無理だったが、冬休み中には何とか読み終わりました。やれやれ。
いつものように光文社古典でも出ている、桜の園とヘンリーライクロフトの私記はパス。

(41) 怪談(小泉八雲/繁尾久:旺文社文庫):耳なし芳一とか。時代の割に文章が新しいと思ったが日本語で書いたんじゃないんだった(笑)。いわゆる怪談より、アイルランドの話を書いた「日まわり」が気に入った。小泉八雲って来日前から苦労人だったんだね。

(42) 野菊の墓(伊藤佐千夫:新潮文庫):4度目位?こんな話だった。卵的な恋か。確かに小説としてうまいとは言えないよなー。今読むと悪いのは政男だと思う。悪気がなかったのはわかるが、民子は愛されている確信を持てずに死んだと思う。政男、胸を張って民さんを愛してると言ってる場合じゃないぞ。

(43) 赤毛のアン(モンゴメリ/村岡花子新潮文庫):5度目位。今回は特に村岡花子訳を選んで読んだ(笑)。児童書で読んだ頃からいまいちだと思っていたが何で好きじゃないのかわかった。アンが大人になっちゃうからだ。ピッピの方がずっと好きだ。

(44) 草迷宮(泉鏡花:岩波文庫):初めて。これ面白かった。泉鏡花、名調子ー。何を言いたいかはわかんないけど(笑)、流れるような畳み込むような独特の文章が素敵。

(45) 奇岩城(ルブラン/堀口大學:新潮文庫):小学生の頃大好きだったアルセーヌ・ルパン。何度も読んだ。こんな話だったのは覚えてるけど・・・何か面白くない。堀口大學訳。「ごまよ開け」はないだろ。全体にモンテクリスト伯みたいだ。題名もネタバレでいかがなものか。光文社古典で今風に訳したのを読みたい。

(46) 土(長塚節/新潮文庫):暗い。当時の農民生活はこんなだったと理解は良くできるが、暗くて救いがない。とにかく暗い。みんな暗い。

(47) 昆虫記(ファーブル/山田吉彦:岩波文庫):全10冊。大変だった・・・。ごく一部は子供の頃に読んだ。フン転がしの絵を覚えている。ファーブル先生ってフランス人だった。お茶目。ダーウィンの進化論に違和感あるのは無理もない。当時は遺伝子と言う概念もまだなくて机上の空論ではあったんだものな。虫を使った数々の実験がカワイイ。ファーブル先生が提起した疑問に答えた最新訳が欲しいね。虫の写真はイラナイ。みていて気持ち悪くなるので、リンクだけ貼っておいてほしい。

(48) 遠野物語(柳田国男:岩波文庫):初めて。こういう本だったのか。文語調の初編と口語体の続編。物語っていうかフィールドワーク?聞き書きにもなってないし。家の間取りとか図版も付いていて面白いが、物語として面白いかは微妙。面白いかどうかではなくて、文化として残すことに意味があったんだろうけど。どこまで独自の文化だったのかも微妙。グリム兄弟の例もあるしな。

(49) 銀の匙(中勘助:角川文庫):お坊ちゃまの自伝的小説。読みやすさと言う点では古臭くないのだが、いかんせん書かれた時代は古い。単語の注釈が必要。食べ物の話が満載で○(そこかよ)。中勘助って漱石の教え子だったんだ。読んでいて楽しいとは思う。同名の農学校マンガとは何も関係ありません。

(50) 大菩薩峠(中里介山:ちくま文庫):20冊あった!(泣)。面白くないとは言わないが何を書きたいのかわからん!最初の1-2冊はわかりやすかったが、だんだん惰性になっていくような。メインテーマと思われる敵討ちも、背景の明治維新との関係も、全然結末なしで終わっちゃうし。2冊でやめときゃよかったよ。腹立つー。

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