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2018年7月28日

若人のための100冊(9)

静かなドンの8分冊以降は、さくさく進んで残り10タイトル!冊数も少なそうなので、8月中に終わるかな?

(81) 奥の細道(松尾芭蕉):読み直す一冊で済み

(82) 静かなドン(ショーロホフ/岩波文庫):ロシア革命後の内戦をコサックの視点から。「世界をゆるがした10日間」から5年もかかった理由が良くわかるのだった。なかなかドラマチックで、長い割に飽きずに読めたんだけど救いがないのがちょっと。

(83) 蟹工船(小林多喜二/岩波文庫):初めて読んだかも。一緒に入っていた1928.3.15は党員逮捕を描いたドキュメント風。でも登場人物の殆どに名前がない蟹工船の方がプロレタリア文学らしい感じ。当時を知る上では有益だし、社会運動としては意味ある(あった)と思うけど、物語としてはどうか。カタカナの擬態語が多いのが気になる。

(84) 社会契約論(ルソー):光文社古典で済み

(85) 方法序説(デカルト/岩波文庫):難解すぎ、っていうか決めつけ過ぎ。良識(理性)は万人が等しく持っている、ってそんな。生物学的にも今となっては間違いが多い。そもそもキリスト教を当然の前提とする点でいろいろ厳しいんだよね。

(86) 舞姫/阿部一族(森鴎外/新潮文庫):舞姫は二度目だと思う。前は文章が難解で挫けたのだが、今回は問題なく読めた。古典をだいぶよんだからなー。 友達のせいにして本当は友達なんかいないのがずるい。「寒山拾得」のおまけで「パパアも文殊なのだが、まだ誰も拝みに来ないのだよ。」が秀逸。「鶏」も面白い。でも鴎外は面白く書こうとしたわけではないらしい。「阿部一族」は普通。

(87) 方丈記(鴨長明/笠間書店):ちゃんと読んだの初めて。田舎の小さい掘っ建て小屋で十分だ、地位もお金も要らないよ、と言いながら、子供の頃のおうちは大きかったのに、若い頃は希望に燃えてたのに、今は家族も家来もいなくてさ、だって出家するしかなくてさ、と何だか愚痴っぽく聞こえる。

(88) ボヴァリー夫人(フローベール/新潮文庫):恋に恋するエマ。医師と結婚しても、色男や年下と不倫しても、がんがん散財しても、満たされるのは一瞬だけ。それでも懲りずに同じことを繰り返し、結局自滅してしまう。粗筋だけ書くと単なる恋愛小説だけど、地方の生活が上手く書かれてて面白い。品評会の発表を聞きながら口説かれる場面なんか秀逸。新潮文庫の新訳(2015年出版)は、話法にも注意して翻訳したそうで、訳者あとがきも面白かったです。

(89) 嵐が丘(エミリー・ブロンテ):光文社古典で済み

(90) 土(長塚節):読み直す1冊で済み

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